読んでみた、アメリカ人著者によるノンフィクション/戦記。1990年発表。
第二次世界大戦中、ドイツ軍が通商破壊作戦に投入した潜水艦群「Uボート」。本書は中でも多大な戦果を挙げて、「エース」と呼ばれた潜水艦艦長である「ヴォルフガング・リュート」を中心に、Uボートの戦いを紹介する…という内容。
エースとしては彼よりも更に多くのトン数を沈めた、オットー・クレッチマーという人がいるけれど…捕虜になった為、実は1年と少々での戦果。リュートも戦争後半は教官となったのに加えて、U-43の艦長時に自艦を母港停泊中にミスで沈めてしまって暫く謹慎していたという。そうした不名誉な話も、むしろ面白い。
艦長としては乗員を「褒めて伸ばす」系の指導者で、艦内の催し等から士気を上げる事に長けている辺り、日本の潜水艦戦記を読んだ印象とは違うなあって。…でもそういう人がドイツの降伏直後、悲劇的な死を遂げたというのだから謎めいている。本書はそうした複雑な人物像と共に、Uボートを広く知られて良い。